（５）達弥西心のわかりやすい話「時流」

しかし、私たちの、たった一人の人生さえも、天の計画の一部です。自分の目の前の現象とは、まったく関係のないドラマが、突然始まるかも知れませんし、別のシナリオが突然割り込んだりするかも知れません。一瞬にしてシナリオは書き換えられるかも知れません。人生のドラマは、自分の都合のいいようには、なかなか展開してはくれません。

私たち人間は、自分の目の前の現象が続いていくのが、人生のシナリオだと思いたいものです。しかも、自分の都合の良いように展開されるのが、シナリオだと思いたいものです。

たとえば、誰かと出会います。その人と自分の関係を中心にして人生のドラマは展開されるはずだと、ごく自然にそう思ってしまいます。しかもそのドラマは、必ず自分がその中心にいて、自分が願うその通りに展開していくはずだと、信じています。

この時代の流れというシナリオも、流行とかブームという膨張へ向かう見せ場も、すべて天の計画です。

時の流れが天の計画であるならば、かならず宇宙の法則の通りに推移していくのです。それが、時流鑑定のポイントなのです。

そのような観点で、あの狂乱のバブル時期を振り返ってみると、何かが少しずつずれていたことが分かります。天はドシャ降りの大雨を降らせて、それに気づかせてくれたのです。

お金の動きは、人間の体でいうと、血液の働きに対応します。お金は動き続けるものです。血液も動き続けて、循環していくものです。

お金も血液も、サラサラと気持ち良く流れていかなくてはなりません。自分を経由してよどみなく、溜まらず、とどこおらず、サラサラと循環していかなくてはなりません。

泡が、弾けて壊れて散っていくように、バブルを弾けさせることによって、日本全体が、お金、お金、お金と狂ったように、走り回ったオーバーヒート気味のマネーゲームに、頭を冷やせと冷や水を浴びせかけたことも、一分の狂いもなく、天の計画です。

もちろん、息は、吐いて吸って、吐いて吸ってと、規則正しい、ほどほどの呼吸を繰り返していけば、いつまでも続いていくのです。

吸ってばかりで吸いすぎると苦しくなる。集めすぎると逃げていく。

自然の道理、宇宙の法則です。

バブルが弾けたということは、膨らみすぎて弾けて壊れて、散ったということです。金融関係の業界全体が、膨らみすぎたのです。膨らみすぎて、弾けて、壊れて、散ったのです。

アメリカに端を発した金融危機が世界中に影響を及ぼしていますが、日本で起こったバブル崩壊を思い出している方も多いでしょう。

あのときは、日本でも金融機関の経営危機、経営破たんが相次ぎました。金融機関のあの事態は、バブルがはじけたときからの、いわば当然の帰着点であったのです。たとえば、息を吸って吸って膨らんで、膨らんで膨らんで膨らんで、弾けて壊れて、散っていく。そのままです。

宇宙は息をしています。大自然は息をしているのです。人間も当然息をしています。社会も息をしているし、時代も息をしている。

天の計画も、まるで息をするかのように、吸って吐いて、吸って吐いてと、シナリオは確実に進んでいっています。