（５）達弥西心のわかりやすい話「時流」

「それでも自分自身との対話を忘れない」という姿勢が大切です。

天は、誰にでも、スポットを当てたり、スポットを外したりしながら、有頂天にさせたり腐らせたりしながら、それでも淡々とほんとうの自分自身と対話（ＭＡＯ）しながら、道を歩いていくかを見ておられるのです。

スポットが当たっているときは、だれでも有頂天になりがちです。有頂天になって、なんでも自分だけの力だと錯覚して、自分自身に聞くことを忘れてしまいがちです。

スポットが当たっていないときは、だれでも腐ってしまいがちです。腐ってしまって、どうでもいいやという気になって、自分自身に聞くことを忘れてしまいがちです。

スポットを浴びているときも、スポットの陰にまわっているときも、修行の時です。ですから、スポットが当たっているときはもちろんですが、スポットの陰にまわっているときもほんとうの自分に聞くことを忘れないことです。

人がこの世を生きていれば、試練も受けますし困難にも遭遇します。声がかかるときもあればかからないときもあります。選ばれることもあれば選ばれないこともあります。

いつもいつもスポットを浴びていたいと望むのは結構ですが、天にも順番があります。あなたがスポットを浴びているときは、かならず誰かが陰にまわっています。あなたが陰にまわっているときは、誰かがスポットを浴びています。

あなたはあなた自身のために確かに生きているのですが、そのためだけではありません。自分が出るとき、引くときも旬なのです。そして大事なことは、自分が出るときは誰かが引くときなのです。自分が引くときは誰かが出るときなのです。それが旬というものです。

天の人材育成の方法もよく似ています。大切なのは「旬」なのです。どうしてもいまこの時でなければならない時という瞬間があるのです。その旬に、天は手を打ってこられます。気づかせを送ってこられるのです。

宇宙は、規則正しく廻っています。種から芽を出し、花をつけ、実をならせ、土にかえっていくのです。

しかしその法則を少しいじって、すなわち花開いた絶頂で花弁を積み取って、養分を消耗しないようにして、そのぶん球根を育てるのです。

充分に養分を蓄えたいい球根に育てるためには、花が満開になるとすぐ摘まなくてはならないといいます。そうして摘み取られた花弁は、ごく一部だけが煎餅に使われたり染料や香料に利用されるということですが、ほとんどは野積みにして堆肥にされたり、畑一面にまかれたりするのだそうです。富山県西部に位置するチューリップの球根の産地の五月上旬の風物詩だと雑誌で読みました。

色とりどりの、色あざやかなチューリップも、花が満開になるとすぐに摘まれていきます。摘み取られた花弁は小型トラックに積まれて、耕作前の畑にまき散らされます。チューリップの花びらは満開のすぐ後に摘み取られます。球根のためにです。